マイクロソフトで働くエンジニアパパの子育てブログ

英語教育とプログラミング教育。グローバリゼーションや多様化する社会。ソフトウェアの進化やテクノロジーの進化で変わっていく仕事や生活の在り方。社会人として、そして親として考えたことを書いてます。このブログは個人のもので、所属する企業の見解ではありません。

英語のフレーズ集が役に立たない理由

Useless.
誰だったのかは思い出せませんが、その昔「お疲れ様って英語でなんて言うの?」と聞かれて驚いた記憶があります。なぜ驚いたかというと、その問い自体がそもそも間違っていることに気が付いていないようだからです。

しかし鑑みてみると、このように「日本語のある言い回しAに対応する英語の言い回しBが存在する(もしくはその反対)」と思っている人はかなりいるように思います。その証拠のひとつとして、本屋に行けばいくらでも見つかるフレーズ集の存在があります。

フレーズ集にはまさに「お疲れさまは英語でBlah blah blahと言います」という例がたくさん載っていますが、あれははっきり言って意味のない対応です。例外はあるとは思いますが、言語とは、もっと言うと文化とはそんなに簡単に対応させられるものではないのです。

例えば「おはようございます」は十中八九「Good morning」に対応されていると思います。この例はほぼそのまま適応できるケースがほとんどでしょう。

しかし例えば日本では、飲食業やテレビ業界では夜からの出勤だったとしても挨拶は「おはようございます」です。ここに英語のGood morningを当てはめることはできません。英語圏にはそのような文化は無いからです。夜にGood morningは使えません。

子育て英語フレーズ集のようなものもそれなりに見かけます。そこには例えば英語で「エライねっ!」って子供に言う場合はこう言います、というようなことが平気で載っています。しかし我々が「エライねっ!」と子供に言うシチュエーションは様々で、それを全てカバーできる英語は存在しません。

フレーズ集というのは形態が分かりやすくとっつき易そうなので人気があるのかもしれませんが、これが英語の学習を若干妨げる障害になっているような気もします。これのせいで冒頭に出てきたような、日本語のある言い回しを完全に代替する英語の言い回しがあると勘違いするような人が増えている気がしなくもないです。

ちなみに私はシチュエーション別の英語の言い回しみたいな本だったらすごく役に立つと思います。例えば上の例で言えば「部下たちが遅くまでチームの成功の為に働いてくれた。仕事を頑張ってくれたみんなを前にして、上司が言いそうなこと」とか「転んでしまった子供が、必死に泣くのを我慢しているのを褒めてあげたいときの一言」というようなシチュエーション別に、そこで自然に響きそうな英語の言い回しを紹介するというような形式であれば意味があると思います。

結局言語というのはコンテキストが全てです。コンテキストと言っても誰が何を言ったとか言語的なものだけではなく、いわゆるシチュエーションというものも含みます。コンテキストによってあなたが話すことの適切さや自然さが変わってくるのです。

ですのでコンテキストを無視した、もしくは日本のコンテキストが英語圏という他文化でもそのまんま通用することを想定したようなフレーズ集にはまったく意味がありません。まったく役に立ちません。英語の学習をするときにはそこには必ず気を付けたほうがいいと思います。