マイクロソフトで働くエンジニアパパの子育てブログ

英語教育やプログラミング教育などの話題を中心に子育てについて書いています。このブログは私個人に属するもので、所属する企業の見解ではありません。

これからも日本人は英語が苦手であり続けると思う理由

Education

以前に私の母親世代の人が言っていたことで大変心に残ったことがあります。一字一句同じではないのですが要するに最近の若い子は英語教育が充実しているから英語が(私達より)できて当然」というような主旨の内容でした。

私は本当にそうかと不思議に思いました。結局自分の努力不足を教育というインフラのせいにして逃げているだけだろうと思いました。極端な例かもしれませんが、鳥飼久美子先生は戦後直後のお生まれのようですが、英語の専門家となっております。

私の世代の人間を当時(大学生だったでしょうか)見回してみても、英語を実用レベルで使いこなしていた人がいたような記憶はありません。私は中堅どころの大学の理系に属していましたが、そのような状況であったと言って間違いはないと思います。

また私が大学生だった頃も、それから(そんなに年を取ったと信じたくはないですが)20年近く経った今も、本屋の本棚に積まれている英語関係の本、英語教育関係の本に大きな変化は見られないように思います。インターネット関連の技術を駆使した内容の本が増えたくらいでしょうか。

上述の台詞にあったことはおそらく事実だと思っていて、英語に関する教育は年々改善を加えていると思いますし、技術の進化によって圧倒的に英語のコンテンツへのアクセスは容易かつ廉価になったのではないかと思います。

しかし結局のところ、このどちらもずっと繰り返されていることなのです。インターネットの前にはビデオの登場があったり、その前にはCDや音楽テープの誕生があったり、もっと遡れば印刷技術の誕生があったりと、技術の進化は常にありましたし、教育方法は年々見直され続けていると思います。

つまり英語教育の根本がもう間違った方向に進んでいて、これをどんなに毎年精錬していっても、どんなに技術の進化の助けを借りたとしても、やはり間違った方向にしか進んでいかないのだと思います。レールの上に乗ってもう走っている汽車をどんなに改善しても、正しい方向には進んでいかないのだと思います。

私には何が正解の教育方法なのかを断言することなどできませんが、「ある専門職に英語と日本語の両方で従事できるような人間を増やす」ことがゴールなんだとすれば、今国家レベルで行っている努力は基本的にはそのゴールを達成できるようなものではないと思います。間違いなんだと思います。

日本の英語教育に必要なのはずばりイノベーションで、新しい考え方、新しい方法論、新しい評価方法、新しい協力関係、等々既存の構造や概念を崩し、新しいものを構築する力が必要です。どんなに英語の得意な人間を先生として集めても、これが起こらなければ臨むべき変化は起こらないでしょう。

これは本当に大きなチャレンジであり、かつ創造的破壊を伴うので必ず反対勢力の誕生を伴います。よって今までの方向性に乗りながら改善を行っていくという選択肢が取られがちで、結果として日本人が英語を苦手とする状況はずっと続いていくことになると思います。

そして10年後も20年後も、本屋の本棚は(電子書籍一辺倒になっているかもしれませんが)英語教育関連の本でびっしりと埋められていることでしょう。自分で努力をした一握りの個人と、たまたま親や頑張ったり環境が良かったりした子供たちだけが、英語を使いこなしていると思います。今と変わらず。