マイクロソフトで働くエンジニアパパの子育てブログ

英語教育やプログラミング教育などの話題を中心に子育てについて書いています。このブログは私個人に属するもので、所属する企業の見解ではありません。

アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている―英語が話せない子どものための英語習得プログラムライミング編

アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている―英語が話せない子どものための英語習得プログラムライミング編

アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている―英語が話せない子どものための英語習得プログラムライミング編

いきなりこんな話から始めるのもあれなんですが、私の想像では、作者はこの本を「Phonemic Awareness(フォネミック・アウェアネス)」と普通に名付けたかったのに、編集者とか出版社の人に「いや、そのタイトルだと何の本だか一般の人には分からないので、もう少し分かり易い名前を付けさせてください」とか言われてこのタイトルに落ち着いたのではないでしょうか。

何故そう思うかというと、この本は基本的には頭の先からつま先までフォネミック・アウェアネスの本で、アメリカの小学校でどうやって英語を教えているかという話題一般を扱ったものではないからです。例えばフォニックスを教える理論や方法についてはまったく述べていないですし、その先にあるであろう様々な英語を教える上での話題は含まれていません。

と、書くとなんだかこの本を悪く言っているように感じさせてしまうかもしれませんが、話題が絞られており、内容は理論に則っている、かつ著者の経験に即したものですし、全体的に文章も読みやすく、非常に良書だと思います。

上述したように、フォネミック・アウェアネスという言葉はあまり一般的でないと思われますし、正直私もこの本を読むまで知りませんでした。これは日本語では「音素認識」と言うようですが、要するにこれが子供が単語を認識する第一ステップのようで、単語の中で音がどんな働きをもち、音がどうやって単語を構成しているのか、そういったことに対する感覚のことだと説明されています。

様々な研究により、このフォネミック・アウェアネスが確立させることが、子供達を文字の世界、つまりリーディングに導くために非常に重要であることが分かってきたそうです。そしてそのフォネミック・アウェアネスを鍛える上での七つのステップを著者は紹介しておりますが、その中で最も分かりやすいものが、誰でも知っているライミング(king/ring/sing)で、もう一つ分かりやすいものがアリタレーションです(Sumiko sits in the seat.)

英語絵本を読んでいらっしゃる方はご存知かと思いますが、英語の絵本はまず間違いなくライミングやアリタレーションが意識された文章構成になっており、著者はこういった絵本の読み聞かせ、さらにはわらべ歌やそれに動きを付けて行う遊び、などの活動を通してフォネミック・アウェアネスを磨くことの重要性を説明していますし、参考になる絵本やわらべ歌での遊び方を紹介しています。

私も最近この本を再読して、思わずいくつかライミングやアリタレーションが特に強調された絵本をいくつか衝動的に購入してしまいました。それにそういった本ではなくても、上述のようにどの絵本も大抵は少しライミングやアリタレーションを意識した作りになっていますので、それを意識して読み聞かせすることによって子供の感覚も磨かれていくでしょうし、なにより読み手もリズムに乗れて楽しくなれます。

著者のリーパー・すみ子さんは、アメリカの小学校で図書館司書(ライブラリアン)としてリテラシー教育に関わってこられた方で、ご存知の方も多いようにアメリカのライブラリアンは専門職であり、かつ著者の勤務していた地域が移民の子供中心の地であったことから、この分野、つまり英語がまだ分からない子供に対する英語教育のスペシャリストとなったようです。著者の名前で検索すると、いくつかYouTube動画も見つかります。なかなか興味深いです。

リーパーすみ子先生 This Little Piggy - YouTube
リーパーすみ子先生 Pease Porrige Hotでライミングの説明 - YouTube